ホテルが運用するべきSNSは?活用事例も紹介!
ホテル業界では、SNSの活用がますます重要視されています。
活用が進む中で、どのSNSを選び、どのように活用すれば効果的なのでしょうか?
今回は、ホテルで実際にSNS運用を行っていた筆者が、実際の事例を紹介しながら活用方法を紹介していきます。
ホテルがSNSを運用するメリットは?
ホテルがSNSを運用することにはさまざまなメリットがあります。
ここでは、ホテルがSNSを運用することで得られるメリットを紹介していきます。
集客
SNSを活用することで、ホテルの情報を効果的に発信し集客に繋げることができます。
ホテルでは、コンセプトのあるお部屋、色とりどりな食事、ホテルから見える景色など、視覚的に情報を発信できることが多いため集客のために力を入れて運用を行っている企業も多いでしょう。
しっかりと発信を行っていくことで、ホテルが発信をしなくともUGCという方法でSNS上でホテルの認知度も上がっていくでしょう。
写真や動画を使った魅力的なコンテンツを発信できることは、多くのユーザーへのアピールにつながります。
ブランディング
SNSを活用することで、ホテルの魅力や特徴を発信することができます。
ホテルのInstagramでは、認知度拡大や集客をメインに運用を行っている企業が多いですが、ブランディングやホテルの世界観を表現するために利用している企業もあります。
本記事でもSNSをブランディングに活用している企業やアカウントを紹介しています。
情報収集
SNSを通じて宿泊客の声をリアルタイムに収集することができます。
宿泊客の感想や要望を把握することで、サービスの改善や施設の改装など、より良いホテル作りにつなげることができます。
Instagramでは自社ホテルのハッシュタグ作成やタグ付けをしてもらうことで、ホテルに対して投稿された内容を確認することができるでしょう。
宿泊客とのコミュニケーション
SNSを通じて宿泊客とコミュニケーションを取ることができます。
宿泊前の質問や要望に対応するだけでなく、宿泊後の感謝の気持ちを伝えることもできます。
宿泊客とのコミュニケーションを大切にすることで、リピーターの獲得やコミュニティの形成にもつながるでしょう。
ホテルが運用するべきSNSは?
ここでは、ホテルが運用するべきSNSを紹介していきます。
- X(旧Twitter)
- YouTube
- TikTok
- LINE
各SNSの特徴を把握して、目的や自社のホテルにあったSNSの活用をしていきましょう。
Instagramは写真や動画を通じて魅力を発信するのに最適なSNSです。
ホテルの美しい客室や絶景、バラエティに富んだ料理などを投稿することで、多くの人々に魅力を伝えることができます。
また、ユーザーがホテルのタグをつけることで、自然な形で口コミが広がることもあります。
Facebookはホテルの情報発信やイベント告知に最適なSNSです。
ホテルの特典やサービスの紹介、イベントの案内などを投稿することで、顧客とのコミュニケーションを図ることができます。
また、Facebookの広告機能を活用することで、ターゲットに合わせた広告を効果的に配信することも可能です。
X(旧Twitter)
Xはリアルタイムな情報発信に適したSNSです。
ホテルの最新情報やキャンペーン、イベントの告知などを短い文章で発信することができます。
また、ユーザーとの対話も活発に行えるため、顧客の声を直接受け取ることもできます。
ツイートの拡散力も高いため、情報の発信力を広げることができます。
YouTube
YouTubeは動画を通じてホテルの魅力を伝えるのに最適なSNSです。
ホテルの施設やサービスの紹介動画、イベントの模様などを投稿することで、視覚的に魅力を伝えることができます。
また、YouTubeはSEO効果も高いため、検索エンジンからのアクセスを増やすことも期待できます。
TikTok
TikTokは短い動画コンテンツを投稿し共有できるSNSプラットフォームです。
特に若者を中心に、ユーザー数が急速に増加しており、エンターテイメント性の高いコンテンツが人気です。
ユーザーはクリエイティブな動画を作成し、他のユーザーとのインタラクションを楽しむことができます。
また、おしゃれなホテルなどSNSで映えるホテルでは、TikTok上で多くのUGCが発生しています。
LINE
公式LINEアカウントを通じて、ホテルの最新情報や特典、イベント情報などを発信することができます。
顧客はLINEを通じて、ホテルの魅力的な情報を手に入れることができるため、よりホテルへの関心を高めることができます。
最新の情報などを発信しているため、リピーター集客につなげているホテルも多いです。
また、公式LINEアカウントを通じて予約を自動化しているホテルもあります。
顧客はLINE上で必要な情報を入力することで、簡単にホテル予約を完了させることができます。
予約内容の確認や変更もLINE上で行うことができるため、顧客は手間をかけることなく予約の管理をすることができます。
Instagramを上手く使っているホテルの運用事例
Instagramを上手く運用しているホテルのInstagram事例を紹介していきます。
Instagramは、ほとんどのホテルや旅館が運用しており、アカウントを持っていないホテルの方が少ないのではないでしょうか。
DDD HOTEL
DDD HOTELはログズ株式会社が運営をするホテルで、ホテル事業に意外にもファッション雑貨事業などもあり、Instagramではとても注目されるようなホテルです。
私も訪れたことがありますが、とても落ち着いた空間で特別な時間の流れる滞在を過ごしました。
DDD HOTELの魅力はおしゃれな韓国風の雰囲気でしょう。その独特なホテルの雰囲気をInstagramを通して、余すことなく伝えることができています。
ホテルのSNS運用は週に何度も投稿を行っていると、コンテンツの企画などが大変ではないでしょうか。
DDD HOTELのように様々な視点や角度からホテルの一部を切り取ることで、今までになかったホテルの魅力を伝える参考になるでしょう。
LIVELY HOTELS
最後は運用する上での考え方や戦略設計で役たつ事例を紹介します。
株式会社グローバルエージェンツが運営するLIVELY HOTELSでは、Instagram運用を行う上で様々な工夫が凝らされています。
2023年4月に行われた、「ホテル業界のマーケターと考える、ホテル・旅館業界のSNS活用」ウェビナーでは、同社の12個ものInstagramアカウントを運用する坂本さんが下記の運用ポイントについて解説をしてくれています。
- 「ホテルアカウント」は、どんな投稿をすべきか
- UGCを誘発する「仕掛け」の作り方
- 「そこまでの知名度がないホテル」のUGCの仕掛け方
今回はウェビナーの記事を読んで参考になった「「ホテルアカウント」は、どんな投稿をすべきか」について紹介します。
坂本:
ホテル業界のマーケターと考える、ホテル・旅館業界のSNS活用【イベントレポート】より引用
これはホテル業界あるあるだと思うのですが、ゲストにとって一番知りたいであろう「シンプルにホテルの魅力を伝える投稿」が極端に少ない状況のアカウントもありました。これは、私が他のホテルに滞在しても感じることが多い課題です。
この現象の原因は、自分たちのホテルにいすぎて慣れてしまったり、スタッフ視点でゲストへのサービスを日々考えている結果、ゲスト視点でのホテルへの感動が薄れてしまったり、ゲストが欲しい情報がなんなのかを忘れてしまっていることだと坂本さんは言います。
何事も繰り返し体験をすることで感動が薄れてしまうことや、ホテルのスタッフはなかなか、自分が勤務するホテルに宿泊することもない部分が原因かもしれません。
ホテルのSNSの運用担当者やマーケティング担当者は、とても重要なことが学べる記事なので、要チェックです。
はいむるぶし
沖縄にあるホテル、はいむるぶしは、ホテルだけでなく周辺の自然に関する投稿も行い、多くのフォロワーを獲得しています。
フォロワー数は2023年8月現在で19.3万人と、日本のホテル業界でトップクラスのフォロワー数となっています。
日本には、都会では味わえない自然や体験ができるホテルがたくさんあります。
そのため、ホテル内や提供しているサービスだけでなく、周囲にも目を向けて発信することが大切です。
X(旧Twitter)を上手く使っているホテルの運用事例
Xを上手く運用しているホテルの事例を紹介します。
Xは文章がベースのSNSであるため、Instagramに比べると運用が難しく、成功事例は少ないです。
その中でも多くの集客や認知拡大に繋げているホテルを紹介します。
THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA
以前から好評をいただいております、原稿執筆パックがこの度スタンダードプランとしてリニューアルされました!
— THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA (@TheRyokanTokyo) June 26, 2018
これまで二泊以上限定のプランでしたが、ありがたいことに多くのご要望をいただき一泊限定の一夜漬けプランと二泊以上の湯篭りプランとして再登場です。 pic.twitter.com/bBBLa3XglU
神奈川県湯河原町にあるTHE RYOKAN TOKYO YUGAWARAでは、X(旧Twitter)を利用し「原稿執筆パック」や「積ん読解消パック」などのちょっと変わった宿泊プランを拡散し集客しています。
Xへのこうの投稿に対し上のような数のエンゲージメントが発生しており、イチ旅館のTwitterとは思えないくらいの反応が集まっています。
このプランはこのバズから定期的な集客を続け、2020年には4000人以上の方が利用する大ヒットした宿泊プランとなっています。
2018年4月にリリースしました原稿執筆パックですが、気づけば今までご利用いただいた方が4000人を超えておりました〜!!!
— THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA (@TheRyokanTokyo) March 12, 2020
何度も来館くださる方も多く、長い間ご愛好いただき本当にありがとうございます😊💞💐 pic.twitter.com/l4EKvR71K7
それぞれのSNSでどのようなインサイトを持っているユーザーがいるのか、自社のホテルに沿ったユーザーがいるかを確認し宿泊プランに落とし込んだ良いSNSの活用事例でしょう。
THIRD 石垣島
#オールインクルーシブ の #ライフスタイルホテル が
— THIRD 石垣島【公式】 (@hotel_THIRD) March 28, 2020
2020年4月 石垣島にオープン@hotel_THIRD をフォロー&本投稿リツイートで
【2021年に使える 2泊3日 ジュニアスイートご宿泊】が当たるキャンペーン開催!
来年の楽しみが少しでも増えますように。
締切:4月12日 24時https://t.co/PNA6lI2BD3 pic.twitter.com/tno2GdoEZ4
THIRD 石垣島もXを活用し、ブランド認知度の拡大や顧客の獲得に取り組んでいます。
Xでのフォロワー数は8.7万人と多くのフォロワーがいます。
ホテル周辺の美しい景色やオールインクルーシブのサービスを紹介した投稿は話題を呼び、ツイートの拡散やフォロワー数の増加につながっています。
あの…大変な時期ではありますが…石垣島に…THIRD石垣島というリゾートホテルを開業しました…。
— 佐々木優弥 / STAR RESORT (@hksh) August 16, 2020
オールインクルーシブなので、宿泊代にお食事もアルコールも含まれていて、好きなときに何度でもお楽しみいただけます…。
どうかリツイートでお祝いしてくださったら、めちゃくちゃ喜びます… pic.twitter.com/qRwaDo72ix
また、社内にフォロワー数の多いマイクロインフルエンサーを抱えていることも大きな要因です。
これにより、顧客目線での投稿やホテルの公式アカウントでは紹介しにくい部分でも紹介できるため、異なる視点でホテルを紹介することができます。
投稿は多くのリーチやエンゲージメントを獲得し認知度の拡大や集客につながっているでしょう。
Facebookを上手く使っているホテルの運用事例
Facebookを上手く運用しているホテルのFacebook事例を紹介していきます。
FacebookはInstagram同様にMetaが運営を行うSNSで、その他のSNSに比べると比較的年齢層が高く、男性ユーザーが多いことが特徴的です。
ここで紹介する事例は、そんな特徴を活かしているホテルが多いので参考になるでしょう。
ホテルニューオータニ Hotel New Otani Tokyo
ホテルニューオータニは、Facebookのフォロワー数が5.9万人と多くのファンを抱えています。
日本の御三家の一つとも称され、長年にわたり多くの方に愛されています。
また、老舗ホテルということもあり、Facebookのコアな年齢層ともマッチしており、イベントやレストランの新しいコースに関する投稿に多くのエンゲージメントが集まっています。
Facebookでは他のSNSと比べ多くの拡散性は見込めませんが、既存のファンへのアプローチや公式ツールを使った同時投稿も可能なため定期的な発信をしていくと良いでしょう。
ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド Hotel La Suite Kobe Harborland
神戸ハーバーランドのホテル・ラ・スイートは、Facebookのフォロワー数が3.4万人と多くのファンを抱えています。
ラグジュアリー寄りのホテルは、Facebook利用者の年齢層に合わせた運用が可能です。
新規の集客には、その他のSNSや広告施策を利用し、リピーターの獲得や顧客とのコミュニケーションを通じて自社のブランド価値を高めていくことが重要です。
TikTokを上手く使っているホテルの運用事例
TikTokは他のSNSと比べ拡散性が高く、ユーザーの平均年齢も低い傾向にあります。
フォロワーが少なくともバズることができるため始めやすいです。
また、ショート動画のSNSという部分もあり、同じ動画を主体とするYoutubeよりも編集などの手間も少ない部分がメリットでしょう。
【公式】東急ホテルズ
@tokyu_hotels スタッフがホテルの魅力を案内してくれました😊 #東急ホテルズ #渋谷ストリームエクセルホテル東急 #ホテル紹介 #オススメ ♬ Boorish Kittens – DJ BAI
東急ホテルズのグループでは、2023年8月現在で6,768フォロワーを抱えており、東急ホテルグループのホテルを1つのアカウントで紹介しています。
TikTokの動画コンテンツでは、1つのホテルだけでは運用が難しいため、東急ホテルズのように、複数のホテルが協力してTikTokのコンテンツを作成するのも良いでしょう。
各ホテルの紹介から、コンセプトルームの紹介など様々な企画がありますので既に運用をしている担当者、これから始めようと思っている担当者にとって参考となるアカウントです。
産後ケアホテル マームガーデン
@sangokeamomgarden どれも可愛すぎるので最後まで見てください #TikTok教室#マームガーデン葉山#産後ケア#妊婦 ♬ Surges – Orangestar (feat. 夏背 & ルワン)
産後ケアホテル「マームガーデン」は、神奈川県葉山にあり、3.2万人以上のフォロワーを抱えています。
同ホテルでは、出産や子育てに関するコンテンツを投稿しており、ホテルに関する投稿はありません。
コンテンツ型の運用方法ではありますが、日本ではまだまだ認知度の低い産後ケアホテルの知名度向上と同時にホテルの知名度向上にも役立つ運用方法です。
ホテルではTikTok運用が難しい側面もあるため、参考にしてみましょう。
Youtubeを上手く使っているホテルの運用事例
Youtubeでは旅行系Youtuberが多く活躍しており、旅行の風景やホテルでの過ごし方の動画が多く上がっています。
ホテルを運営する企業も例外ではなく、Youtubeの公式チャンネルを持っている企業も多いです。
長時間の動画をアップロードできるため、ホテルの紹介から周辺地域をドローンで撮影した動画など様々な動画が上がっています。
今回はYoutubeを上手く活用できている企業を紹介します。
星野リゾート公式チャンネル
星野リゾート公式チャンネルでは、各ホテルの紹介だけでなく星野リゾートという会社の歴史を紹介しています。
Youtubeに載せている動画を公式のHPへの掲載や他SNSでの拡散が多くないため、ブランディング目的に近い投稿をしており、コアなファンに向けた発信となっているでしょう。
帝国ホテル公式チャンネル
帝国ホテル公式チャンネルは、チャンネル登録者2.61万人とホテルの公式チャンネルとしては多くのユーザーが登録をしています。
動画の投稿内容は、ホテルの紹介から、チャンネル内で人気となっている料理長が教える作り方の紹介など、様々な内容が投稿されています。
私も何本か私も何本か見ていますが、ホテルの料理へのこだわりが伝わる部分や、素敵な料理が出来上がっていく様子は見入ってしまいます。
YouTubeでは、ホテル側が普段伝えることのできない思いや考え方を伝えることができるため、よりホテルのファン醸成に繋がるでしょう。
元々、知名度が高くファンも多い帝国ホテルにとって、この動画は一定のユーザーにとても刺さるものとなっているでしょう。
まとめ
ホテルが運用するべきSNSについて紹介しました。
自社のホテルや旅館の課題や利用ユーザーに合わせてSNSを選択し運用を行うと良いでしょう。
また、今はどのSNSでも運用を行っているホテルがあるため、この記事で紹介した記事以外にも参考となるアカウントを探してみましょう。